はじめに
FileMakerとは
FileMakerは、Claris社より提供されている、 多機能なデータベースが構築できるローコード開発プラットフォームです。 ビジネスや個人のさまざまなニーズに対応することができるソフトウェアです。 FileMakerの検索機能は、データベース内の情報を効率的に見つけるための重要なツールです。 この記事は前回「FileMaker 検索の基本を極める!!」の続きになります。
FileMakerにおける要素(おさらい)
FileMakerデータベースは、主に3つの要素から構成されています。 ・テーブル データを保存するための集合体です。 例えば、顧客情報、商品情報などがこれに当たります。 ・レコード テーブル内の個々の情報の単位です。 例えば、顧客情報では、氏名、住所、年齢、電話番号 などからなる、データの1つのかたまりのことを指します。 ・フィールド レコード内の個々の項目をのことです。 例えば、顧客情報においては、氏名、住所、年齢、電話番号 などのデータ項目があります。
前回に引き続き、顧客情報のサンプルデータを使って様々な検索を試していきたいと思います。
演算子を用いた検索
FileMakerでは、演算子を用いて高度な検索を行うことができます。
こちらの記事では、これらの中からよく使う検索方法について紹介していきます。
空白を検索(=)
「=」(イコール)で検索すると、対象のフィールドが空欄のものがヒットします。
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完全一致検索(==)
FileMakerプラットフォームでは、日本語の検索は部分一致検索になります。 例)
都道府県に対して、通常通り「東京」と検索すると、「東京」「東京都」の両方の検索結果が表示されます。
「東京」での検索であれば、目的の結果が得られるかもしれません。 しかし、企業名で検索結果を「株式会社ファイルメーカー」にしたい場合、 そのまま「株式会社ファイルメーカー」と入力して検索実行すると、 「株式会社ファイルメーカー」 「株式会社ファイルメーカープロ」 … と、「株式会社ファイルメーカー」が含まれる企業名のすべてのレコードがヒットしてしまいます。 検索結果を「株式会社ファイルメーカー」のみにして、値を書き換えるようなスクリプトを作成したいときには、 「==株式会社ファイルメーカー」と検索することで、完全一致のレコードだけを検索することができます。 検索方法に気を付けておかないと、予期せぬ動作が起こる可能性がありますので注意が必要です。
数値、日付の検索
以上、以下、未満、超過 の検索は、それぞれ記号 「 >= (数字)」「 <= (数字)」「 < (数字)」「 > (数字)」で表すことができます。
値を指定しない場合は、記号「*」を任意の文字列の代わりに使用できます。
指定の範囲を検索したい場合、「(数字)...(数字)」を記載することで表現できます。
任意の文字の検索
記号「@」(アットマーク)は、任意の1文字の代わりとして使用できます。 例えば、「名前」フィールドに「@林」と入力して検索すると、「~林」という名前の人がヒットします。
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記号「#」は、任意の1数字の代わりに使用できます。 年齢に対して、「3#」と検索することで、30代の人を検索結果として得ることができます。
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記号自体の検索
FileMakerの検索では、様々な記号に対して意味が与えられていますが、 その記号自体を検索したい場合があります。 例えば、メールアドレスなどは、「abc@sample.com」のような形式ですが、 「@」は検索モードでは任意の1文字として扱われるため、そのままではうまく検索が行えません。 記号そのものを検索したい場合は、記号の前に「\」(バックスラッシュ)をつけてあげる必要があります。
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「@」だけで検索した場合は、任意の1文字の検索扱いになります。
ゆるやかな検索
FileMakerには「ゆるやか検索」(日本語のみ)という機能があります。 こちらはひらがな/カタカナに対しての機能となり、 濁音・半濁音、拗音・促音、などの文字を含めて検索することができます。 ゆるやか検索には、記号「~」を使用します。 例えば、ふりがなに対して「~なかた」と入れて検索実行すると、
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「なかた」「ながた」などといった、濁音を含む検索結果を得ることができます。 ふりがなを扱う際にはぜひ活用してみてください。
おわりに
本記事では、FileMakerにおけるさまざまな検索方法について紹介させて頂きました。 FileMakerでは、柔軟に効率よく検索を行うことが可能です。 目的のデータを得るための手助けとなれば幸いです♪